Asia-Pacific Association for
 M
achine Translation

講演会 飯田 仁氏

音声翻訳の展望と情報の獲得・利用

‐インターネット時代の情報ハンドリング‐

MT-SUMMIT’97(San Diego)はコンピュータによる機械翻訳研究50周年を記念する特別な会議であった。今日に至るMT研究の進展はコンピュータ能力の増大と相俟って、当初のMT方式から大きく進化を遂げてきたと言えるであろう。さらに、メディアの多様化によって翻訳機能の活かされ方が影響を受け、翻訳への入出力の方式が変化してきたと見なせる。音声認識の実用化により音声メディアを介した音声翻訳応用が登場すると、それまでのテキスト翻訳では考えられない、翻訳前処理とは本質的に異なる翻訳入力の課題が浮上した。合成音声による翻訳出力の課題も発生した。

この講演では、テキスト翻訳から始まって、各種メディアに依存する翻訳機能の実現の在り方を議論し、インターネット上の多言語情報と親密に付き合っていけるコンピュータ支援システムのあるべき姿と今後の技術的・社会的な課題を論じる。


講師:飯田 仁(いいだ ひとし)
ソニーコンピュータサイエンス研究所:機械翻訳・マルチモーダルコミュニケーション:
iida@csl.sony.co.jp

音声言語による実世界コミュニケーションの機構に深く興味をもつ。テキスト翻訳に留まらず、音声翻訳や多言語コミュニケーションなどを研究。具体的な機械翻訳研究として、NTT基礎研究所時代に格構造とATNによる名詞句構造との融合機構による英日翻訳システムの作成、ATR自動翻訳電話研究所および音声翻訳通信研究所時代に用例翻訳の提唱と用例主導の多言語翻訳システム作成ならびに日英独韓中多言語音声翻訳実験システムの 作成。さらに、部分翻訳手法を提唱。工学博士。

用例翻訳や類似用例検索などに関する受賞:科技庁注目発明選定賞(1994年)、 科技庁長官賞(1995年)、日本科学技術情報センター賞(旧丹羽賞)(1996年)など。

人工知能学会の「音声・言語理解と対話処理」研究会設立と初代座長、言語処理学会 理事および会長、2000年Assoc. for CL年次国際大会ジェネラルチェアを歴任。

 その他AMTA’96/MT-SUMMIT’99/MT-SUMMIT’01などで招待講演。

『対話のメカニズム』人工知能ハンドブック・オーム社(共著、1990)、『自動翻訳電話』オーム社(共著、1994)など。その他、『機械翻訳の到達点』「日本語学」明治書院(1999)など雑誌執筆。