AAMT長尾賞学生奨励賞 | ニュース

AAMT長尾賞学生奨励賞

アジア太平洋機械翻訳協会(AAMT)の初代会長の長尾真先生が日本国際賞を受賞されまし たが、同賞の賞金の一部をAAMT の活動に資するようにとAAMT にご寄付くださいまし た。AAMT 長尾賞 学生奨励賞は機械翻訳の発展に長年取り組んでこられた長尾真先生の機械翻訳への熱い思 いを、次世代を担う学生諸君に伝え、将来の機械翻訳の発展に資する研究を見出し、もっ て学生諸君の奮起を促すことを趣旨として、長尾真先生から頂いた寄付を原資として運営 する賞を新設いたします。

賞の趣旨

機械翻訳研究に携わる優秀な研究者と判断される当協会個人会員(の学生)もしくは当協会個人会員の研究室に所属する個人(の学生)を表彰します。

AAMT長尾賞学生奨励賞規約

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第4回(2017年)受賞者

受賞者

京都大学大学院情報学研究科 John Richardsonさん(現Google)

受賞対象論文

京都大学 黒橋禎夫教授の指導のもとに、2017年度京都大学の博士論文としてまとめられたものである。
「Improving Statistical Machine Translation with Target-Side Dependency Synta」

受賞理由

本論文は、木構造から木構造への変換に基づく翻訳 (Tree-to-Tree translation, T2T) において、目的言語の依存構造の情報を用いて、依存構造木言語モデルによる翻訳候補のリランキングや、英語の副詞のような挿入位置の自由度が大きい要素の挿入位置を決定する方法を提案し、複数の言語対において翻訳精度を改善できることを示した。また翻訳候補のリランキングや自由度が高い要素の位置決めの問題にRNN言語モデル(Recurrent Neural Networklanguage model)を用いることにより翻訳精度をさらに改善できることを示した。本研究の成果はKyotoEBMTとして公開されている。
このように本論文は、木構造から木構造への変換に基づく翻訳および用例翻訳(Example-Based Machine Translation, EBMT)に関する長年の研究の到達点を示し、かつ、ニューラル機械翻訳の技術を取り入れたT2T/EBMTの新しい研究の方向性を示す優れた論文であり、AAMT長尾学生奨励賞にふさわしいと考える。

長尾賞学生奨励賞受賞者講演の様子(John Richardson さん)

(写真をクリックすると拡大されます)

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第3回(2016年)受賞者

受賞者

奈良先端科学技術大学院大学・博士後期課程 三浦明波さん(みうら あきば)

受賞対象論文

Graham Neubig(ニュービック)先生の指導のもとに、2016年度奈良先端科学技術大学院大学の修士論文としてまとめられたものである。
「中間言語モデルを用いた多言語機械翻訳の精度向上」

受賞理由

本論文は、翻訳対象となる言語対に十分な量の対訳データが得られない場合に、第三の言語を中間言語として利用するピボット翻訳の新しい実現法を提案し、翻訳精度を大きく改善できることを示した。提案法は、今後、英語を介した日本語とアジア言語の翻訳のような語順が大きく異なる言語対への適用が期待できるなど、ピボット翻訳に関する新しい研究の方向性と今後の発展の可能性を示す優れた論文であり、AAMT長尾学生奨励賞にふさわしいと考える。

授賞式の様子

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第2回(2015年)受賞者

受賞者

京都大学大学院情報学研究科 後藤功雄(ごとう いさお)さん(現在NHK放送技術研究所)

受賞対象論文

黒橋 禎夫先生の指導のもとに、2014年度京都大学大学院情報学研究科博士論文としてまとめられた論文。
「Word Reordering for Statistical Machine Translation via Modeling Structural Differences between Languages」

受賞理由

本論文では、日本語と英語のように語順が大きく異なる言語対における統計的機械翻訳において、語順変換の精度を向上するための3つの手法を提案し、特許対訳データを対象とする日本語から英語および中国語から英語への大規模な翻訳実験によりその有効性を確認している。第一の方法は、句に基づく翻訳において原言語の構文構造を考慮した識別的な並べ替えモデルを実現する方法であり、構文解析器を使わずに翻訳精度を改善できる点が優れている。第二の方法は、主辞後置言語から他言語への事後並べ替え翻訳へITG構文解析を応用するという斬新な発想が優れている。第三の手法は、目的言語の構文解析器を用いて目的言語の構文構造を原言語へ射影することにより原言語の構文解析器を構成し、高精度な事前並べ替え翻訳を実現する方法であり、英語のような高精度な構文解析器が利用可能な言語への翻訳に関して原言語を問わず幅広く適用可能な点が優れている。このように本論文は統計翻訳における語順変換に関して実証的に深く探求した優れた研究であり、AAMT長尾学生奨励賞にふさわしいと考える。

授賞式の様子

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第1回(2014年)受賞者

受賞者

東京大学 大学院教育学研究科・博士課程1年 宮田 玲さん

受賞対象論文

影浦峡先生の指導のもとに、2013年度東京大学大学院研究科修士論文としてまとめられた以下の論文が受賞対象論文である。
「自治体ウェブサイト文書の多言語化を支援する枠組みとシステム環境の研究」

受賞理由

本論文では、自治体の手続き型文書を対象として、機械翻訳技術を活用した多言語翻訳に必要な制限言語ルールやオーサリング環境を提案している。制限言語とその機械翻訳への効果を検証する研究は多いが、本論文は図書館情報学的な立場から文書構造や文書の作成過程にまで踏み込んだ独自の方法論を提示している点が高く評価できる。
本論文は、機械翻訳に関連する新しいシステムやサービスに関する、 理論的かつ実証的な優れた研究報告であり、AAMT長尾学生奨励賞にふさわしいと考える。

授賞式の様子(写真をクリックすると拡大されます)

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Last Updated: 30 Jun. 2016